「今日は楽しかったね」と伝えたのに相手から「本当に楽しかった?」と言われ自分の思いがうまく伝わっていない時はありませんか?
他にもイベントに誘ったのに楽しさをうまく伝えることができなかった、謝っているのにわかってもらえなかったなど。
思っていることが相手に伝わらない、「言い方がわるかったのか」や「もっとちゃんと伝えればよかったのか」など悩んでしまう人は多いと思います。
私たちもコミュニケーションのすれ違いから思ってもいない方向に話が進んでしまい、ケンカになってしまったことも・・・。
こういったすれ違いはプライベートに限らずビジネスシーンでも起こり得ます。
話を聞いている人がどこで判断しているのか理解できれば、コミュニケーションが取りやすくなります。
この記事ではなぜ言いたいことが伝わらないのか、すれ違いが起こる理由についてお話ししていきます。
どうして伝わらないのか
実は話を聞いている側は話した内容よりも、「どんな顔しているか」、「どんな話し方か」などの雰囲気で判断しています。
でも伝えている側としては「どう言えばよかったのかな」など話の内容に問題があったと思ってしまいます。
「何(話の内容)を伝えればよかったのか」ではなく「伝え方」が大事。
ただ「今日楽しかったね」ではなく笑顔で相手の目を見て、声のトーンを上げることで伝わります。
聞き手は、話を聞いている時に話し手のどこを見て判断しているかを実験した人がいます。
アルバート・メラビアンの「メラビアンの法則」です。
メラビアンの法則とは
メラビアンの法則とは、直接会って話をする時の「言語(話の内容)」「聴覚(声のトーン)」「視覚ボディランゲージ)」の3つの要素によって相手に与える印象が決まるというものです。
アルバート・メラビアン(Albert Mehrabian、1939年 – )というアメリカ合衆国の心理学者が提唱されました。
まずは3つの要素について説明します。
・言語(話の内容) 「こんにちは」「今日どこか行かない?」などが言語になります。 ・聴覚(声のトーン) 楽しそうに少し高い声で話す、悲しそうに低い声で話す、怒って怒鳴るなど話し方について聴覚(声のトーン)と言います。 ・視覚(ボディランゲージ) 話している時の姿勢や顔の表情のことをいいます。
ここから実際に行われた実験について紹介していきます。
行われた実験
聞き手が話し手の話し方(言語、聴覚、視覚3つの要素の2つ以上が含まれる)に対して、「好感」または「反感」のどちらの印象を持ったかという検証されました。
この実験によって聞き手はどこで話し手への印象を判断しているのかがわかります。
例を記載しますので「好感」を持ったか「反感」を持ったか、みなさんも考えてみてください。
例1 言語:こんにちは 視覚:目を見て笑顔で
例2 言語:ありがとう 視覚:顔を見ずに下を向いたまま
例3 言語:今日は楽しかったね 聴覚:小さな声で
いかがですか?
言語としてはポジティブな内容でしたが、全体の印象として「好感」を持てたのはどの例になりますか。
実際の実験結果も見てみましょう。
実験結果
ほとんどの場合、言語よりも聴覚や視覚での印象の方が優先されるそうです。
例2、例3については「ありがとう」「今日は楽しかった」と言語については「好感」を持てる内容になりますが、聴覚(声のトーン)と視覚(ボディランゲージ)の印象の方が優先され「反感」を持つという回答になりました。
ここでもう1つ質問です。
聞き手が話を聞く時に優先される印象は言語、聴覚、視覚どのような割合になるでしょうか?
言語、聴覚、視覚 優先される印象の割合
言語、聴覚、視覚の内容が一致していない時(例2や例3のような場合)「好感」「反感」の印象が優先される割合です。

聴覚と視覚が大半を占め言語については7%に留まっています。
最初にお話ししたように、話し手は言いたいことが伝わらなかった時に「どう言えばよかったか」を考えることがありますが、聞き手は言語(話の内容)よりも伝え方で判断していることが上のグラフを見てわかります。
良いコミュニケーションを取るために必要なこと5選
どうしてわかってくれないの?をやめる
話し手としては気持ちを伝えたくて話しますが、なかなか相手に伝わらない。
そんな時、相手に「どうしてわかってくれないの?」という感情になる時があります。
少なくとも聞き手がその場にいてくれるということは、話を聞く準備があることを理解しましょう。
話し方が言語(話の内容)と一致しているのか考えてみる
メラビアンの法則でも説明しましたが、人は言語(話の内容)よりも話し方で良し悪しを判断しています。
自分の話している時の、表情や姿勢、声のトーンが一致しているか、相手に伝わりやすいか考えてみてください。
話し方の上手い人を真似てみる
自分の話し方が言語(話の内容)と一致していないことがわかってもどうしたら良いのかわからないですよね。
これまでそのやり方でやってきたのだから、いきなり変えるのは難しい。
まずは自分が思う話し方が上手い人を真似てみてはどうでしょうか?
会ったことがない人で実践してみる
知っている人の前でいきなり話し方を変えるのは勇気が要りますね。
まずは会ったことがない人で試してみることをおすすめします。
会ったことがない人といっても新しい環境を作る必要はなく、スーパーなどの店員さんに商品の場所を聞いてみることや、飲食店で注文するなどから実践してはどうでしょうか。
身についてくれば普段の話し方も自然と変わっていって、知っている人も「最近話しやすくなった」と印象を持たれると思います。
必ず上手くいくものではない、と知っておく
人とのコミュニケーションは「これをやったらうまくいく」というものではありません。
性格も違えば、良し悪しの価値観も人によってさまざまです。
どうしても理解してくれない人も中にはいます。
言い方を変えたから必ず上手くいくものではない、と開き直り必要以上に落ち込む必要もありません。
もし上手くいかなくても、また言い方を変えて伝えてみたり、時には距離をとってどういう人なのか観察してみるのも良いと思います。
言語(話す内容)も軽視しない
ここまで伝え方についてお話ししてきましたが、もちろん話す内容も重要です。
言語については気にしなくて良いと誤解される方もいるかもしれないので、補足しておきます。
何を話すか、どう伝えるかの両方を考えてから相手に話せばきっと伝わりますよ。
まとめ
聞き手がどこで話の印象を決めているか、「メラビアンの法則」をもとにお伝えしてきました。
会話をする。
これまで当たり前にやってきたことなので意識するのも、変えることも難しいことではあります。
聞き手がどこで判断しているのかだけでも知ることで、良いコミュニケーションをとるきっかけになると思います。
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